食い倒れの街。大阪。
数百年前に天下の台所と呼ばれてから、現代まで食の中心地として日本を先導する街。
そんな街、大阪で我々は何を食べて食い倒れるのか?
この問題の答えを探し求めてMaogamiはたこ焼き、お好み焼き、串カツ、土手焼き、551の豚まんなど数多くを食べつくしてきた。
そして、たどり着いた結論が一つある。
スパイスカレー。
名前の通り、色んなスパイスを使って作るカレーだ。
大阪まで行って、スパイスカレーを食べるのだ。
カレーなんていつでも食べれるから、わざわざ大阪で食べる必要がないと思った人もいるだろう。
断言しよう、その意見は間違っている。
実は、大阪はスパイスカレーの聖地と呼ばれており、圧倒的に美味しいスパイスカレー屋が群雄割拠している。
市販のカレーやインドカレー店とは全く異なる味・体験が待っているのだ。
時々、カレーをスパイスから作る男とは付き合わない方がいいという話題が流れてくるが、逆に言うとスパイスカレーはこだわりの極致といえる料理だろう。
実際、大阪のスパイスカレー屋は、スパイスの種類、具材、調理法、店の雰囲気、店主の性格やこだわりに至るまで、全てが異なる。
世界でここだけの雰囲気・味をスパイスカレー屋で体験しよう。
ということで、今回はわざわざ大阪まで行って食べるべきスパイスカレー屋を4店舗紹介していくぞ。
大阪でソースの味に飽きたときの最強味変選択肢として検討してみてほしい。
SPICE STAND TONGARI
1店舗目は、SPICE STAND TONGARI。
場所とお店の外観はこんな感じ。


こんな感じにお店の外にもメニューもあるぞ。
店前でも、スパイスの香りを感じ、食欲がそそられる。
この店を筆頭に、スパイスカレー屋は外観からおしゃれな雰囲気なお店が多い。こだわりを感じるなあ。
こういう店に初めて入るには、少し勇気がいるよなあ… と思いつつ、いざ入店。
店内はやや暗めで、レンガ風の壁面、間接照明、そしてカウンター席がおしゃれな隠れ家感を演出。
カウンターに座り店員さんがいる厨房を見ると、スパイスやお酒の瓶が並んでおり、スパイスカレー屋に来たと思わされる。

Maogamiが訪れたときは、平日13時なこともあり、客は自分ともう一人だけ。
店員さんとカウンターで1対1で会話すると思いきや、カウンター席にあるQRコードから注文可能なので、コミュニケーション苦手な人でも一安心。
ということで、一番おすすめそうなメニューの一番上を注文してみた。
トンガリビーフキーマ&サワーチキン 1450円

ご飯とルーの量は並、辛さは中辛。
右がトンガリビーフキーマ、左がサワーチキン。
カレーが到着して最初に思い浮かんだこと。
盛り付けおしゃれ過ぎて、もはや芸術品では?
トンガリビーフキーマには赤胡椒(たぶん)、サワーチキンには白いソースがかかっており、見栄えとスパイスの香りが食欲をそそる。
そして、2種類のカレーの中央に位置するのは、店名通りトンガったライスが2山。
周りには、ピーマンパプリカの付け合わせ、福神漬け、大葉、レタス、紫玉ねぎ、ミニトマト、リンゴ、カシューナッツなど、多種多様なトッピング(アチャール)が、色鮮やかにカレーを引き立てる。
極めつけは、カウンター席のライティング。暗めの店内の中で、提供されたカレーにだけ光が当たるようになっており、神々しさまで感じる。
見た目について話しすぎてしまったが、実際に食べていこう。
トンガリビーフキーマは、牛肉のうまみとスパイスを強く感じるカレー。
スパイスカレー屋の中辛ということで、多少身構えていたが、唐辛子的な辛さは強くなく、一般的な中辛のイメージに近い。
一口目はピリッと辛さが来たけど、食べ進めるうちに、スパイスの複雑な味や香りを味わうことができる。非常に美味しい。
魚介の出汁を取っているらしく、牛肉だけでない複雑なうまみが波状攻撃のようにやってくるぞ。
サワーチキンは、まろやかでスパイスを優しく感じられるカレー。
中には、大きめの鶏肉が。スプーンで簡単に切れるほど柔らかく、味が染み込んでいて、とてもうまい。
少しピリッとするトンガリビーフキーマと交互に食べることで、相乗効果が爆発。
ご飯や付け合わせとの相性も抜群だ。
食べ進めていくと、ご飯の山が崩れ、付け合わせの野菜や2種のカレーが混ざりあい、どんどん味は複雑に。
一口一口微妙に味が変化し、無限通りにおいしい味がやってくるぞ。
ここまで飽きずに、最後までカレー食べきれたのは初めてだ。
ということで、SPICE STAND TONGARIの紹介は終わり。
Maogamiが次大阪に行く時も、絶対に行く予定だぞ。
(+500円で、チーズ、パクチー、半熟卵のピクルスがトッピングできるらしい。どこまで鮮やかになるのだろうか。)
バンブルビー
2店舗目に紹介するのは、バンブルビー。
2006年創業の歴史あるスパイスカレー屋だ。
噂ではスパイスカレー中毒者の末路が行く店、ともいわれているらしい。
お店の場所と、外観はこんな感じ。


蜂が書かれた木製の看板が歴史を感じる。
スパイスカレー屋で20年以上営業するというのは、とんでもないことだろう。
こちらも緊張しつつ、いざ入店。
店内は、インドっぽい絵画や楽器、オーディオ機器、CDの山が積まれており、これまた独自の雰囲気。
おしゃれな音楽も鳴り響き、普通の飲食店とは違う特別な場所にいることを感じる。

カウンターに着席した瞬間、店主の方に「メニューはネコ」と言われる。
ネコ???と思いつつテーブルを見ると、確かにネコがいた。

メニューには、マトン、鴨肉、馬肉、ラム、とり肝など、普段カレーであまり食べないお肉が並ぶ。
せっかくなら、色んな種類のお肉が食べたいということで、肉系カレー3種あいがけを注文。
注文すると、店主が目の前で調理を始めてくれる。
様々なスパイスが投入され、店内に刺激的でおいしそうな香りが広がる。
到着したのがこちら。
キーマ三昧 1500円

画像右上が鴨肉カレー、下がマトンカレー、左上が牛肉カレー。
メニューを見る感じ、牛肉カレーは一番スパイスが優しく、マトンカレーが一番スパイス感が強いらしい。
中央には玄米が鎮座し、その上に野菜の付け合わせが。
外観を見て思うが、全てのカレーが圧倒的に黒い。
スパイスや玉ねぎをめちゃくちゃ炒めているのだろうか?我々が知るカレーの色とは別物である。
実際に食べてみると、言葉では表現できない圧倒的な濃厚さ・重厚感が襲ってくる。
また、3種のカレーに対して玄米の量が少ないように見えるが、塩分的な味な濃さがないため、意外とちょうどいいバランス。
カレーという名のスパイスの塊と向き合うことができる。
最初に食べた鴨肉カレーは、鴨肉の肉感をしっかり残しつつ、しっかりスパイスの辛さを感じる味。
一番辛いと言われるマトンカレーは、口に入れた瞬間は何ともないが、後から衝撃的な辛さがやってくる。
唐辛子のような単純な辛さではなく、山椒のような痺れ感があるわけでもない、スパイスらしい複雑な辛さである。
最後の牛肉カレーは、鴨肉・マトンとは異なり、比較的まろやかで甘辛な味。
バランスの良い鴨肉を食べて、激辛のマトンを食べ、中和するために牛肉を食べ、再び鴨肉に戻る無限ループが最高。
味が濃厚すぎて、今でも鮮明に味が残っている。
完食して2時間くらいしても、お腹の中でスパイスが主張してきた。スパイスすごい。
ということで、スパイスの奥深さを教えてくれるバンブルビーの紹介は終わり。
全部のカレーが真っ黒で濃厚だが、言葉で表せない味の違いがある。
スパイスの真髄を見たい方は、実際に行って確かめてきてほしい。
Columbia8 北浜本店
3店舗目に紹介するのは、Columbia8だ。
大阪のスパイスカレー屋でおそらく最も有名なお店で、複数店舗お店があるぞ。
Columbia8のカレーは、S&Bの噂の名店シリーズでレトルトカレーが販売されている。スパイスカレーに興味を持ったらとりあえず食べてほしい一品。
今回は、北浜本店に行ってきたぞ。
お店の場所と外観はこんな感じ。


店内はカウンター席が並び、周年記念のご祝儀袋がたくさん飾られている。長年愛されている名店なのを感じる。
Maogamiが行った際は、常連のお客さんが店主と楽しそうに会話をしていたぞ。
メニューはこんな感じ。

初めてのColumbia8ということで、店主からミックスカレーかキーマカレーをお勧めされたぞ。
ということで、ミックスカレーを注文してみた。
ミックスカレー 1450円

キーマカレーに野菜とゆで卵がついた形だろうか。
玉ねぎや人参やいんげんなどレトルトでは味わえない食材がたくさん載っており、こちらも色鮮やか。
カレーは比較的スープに近い感じのあっさり系だ。
そして、カレーが到着すると、店主が食べ方を教えてくれるぞ。
「右手にスプーン、左手にししとう。」
これがColumbia8の流儀だ。
中央に鎮座する1本のししとうを少しかじり苦みを味わってから、カレーを口に運ぶ。
ししとうの苦みと、風味豊かなスパイスの香りと辛さが混ざりあい、一口一口異なる複雑な美味しさが襲い掛かる。
一緒に来るマンゴージュースの甘味も、ししとうとカレーの無限ループを加速させてくれる。
カレーの上にスパイスの粉が山のように乗っていたが、最後の1粒まで残さず食べたくなる最高の味だった。
食べ終わったら店主の方が話しかけてくれて、次回は辛さを上げることができるとのこと。
他にもメニューがあるし、これは毎日行って食べたくなる味。常連がたくさんいるのも頷ける。
Columbia8の紹介は終わり。
まずはレトルトを食べて、本物が食べたいと思ったら、ぜひ店舗に行ってほしい。
左手にししとうを忘れずに。
カシミール
最後に紹介するのは、カシミール。
大阪で初めてスパイスカレーを提供し、スパイスカレーの元祖と呼ばれるお店だ。
お店の場所と外観はこんな感じ。

カシミールは、営業時間が不定期かつ、常に行列があるとかで、入店するのが結構難しいお店。
店主が一人でお店を回しており、1回に3人分のカレーしか作れないため、待ち時間はある程度かかる。
13時くらいに行ったら、店前に5人くらい並んでた。25分くらい待って入店。
店内にはラジオが流れ、木のカウンター席と目の前に厨房が見えるシンプルな空間。
メニューはこんな感じ。

店主曰く、カレーの作り方は全種類異なり、どのカレーもおすすめなので直感で選んでほしいとのこと。
とりあえず、一番上のビーフカレーを注文。
注文すると、目の前でカレーの調理が。様々なスパイスを入れるところが見え、美味しそうな香りが店内を漂う。
ビーフカレー ミックスA 1750円

ミックスAは野菜が追加でたくさん入ってくるオプション。
スープほどではないが、シャバシャバ系のカレー。
ミックスAにしたからか、ほうれん草、ズッキーニ、なす、人参、大根、豆腐、牛肉など、とにかく具沢山。
ご飯もルーも十分すぎる量があり、全体的な量は多め。
また、卓上には玉ねぎや人参の付け合わせもある。
カレーの味は、唐辛子的な辛さは少なめで、スパイスらしい辛さを若干感じる。
スパイスカレーの味を言葉で表現するのは難しいが、今回紹介した4店舗のカレーの中では、最も一般的なカレーに近い味だろうか。
辛さやスパイス感の強さなど、特別目立った特徴があるわけではないが、バランスがとれており「こういうのでいいんだよ」と言いたくなる味。
そして、本当に様々な具が入っているため、同じ味でも触感が異なり食べ飽きない。
付け合わせを完全に忘れていたため、食べることはできなかったが、終盤の味変には良さそう。他のお客さんは結構使っていた印象。
こんな感じで、カシミールの紹介は終わり。
スパイスカレーの元祖だけあって、スパイスカレー基本・源流的な要素を感じられるぞ。
大人気で確実に行ける保証はないが、行く価値は絶対にあるので、近くを通ったらチャレンジしてほしい。
おわりに
想定より分量が多くなってしまったが、絶対に行くべきスパイスカレー屋4店舗を紹介したぞ。
同じスパイスカレーというジャンルの中でも、店舗ごとに雰囲気から味まで全然異なるので、是非ともスパイスカレー屋巡りをしてみてほしい。
ちなみに、今回スパイスカレー屋巡りをして一番の衝撃だったのは、店主・店員さんが皆めちゃくちゃいい人だったこと。
世の中には、スパイスカレーを作る人はこだわりが強く、面倒な人が多いという思い込みがあるが、実際に行けばそんなことはないことが分かる。
むしろ、自分が作ったスパイスカレーの世界観を共有したい人が多く、他のジャンルのお店より楽しく食事ができた。
皆も大阪でスパイスカレーを食べに行くのだ!
